公開日:2017年9月26日

スペシャルコンテンツ

『広告』2017年 夏 8月号

”炎上”で遊んでいいですか?
ついに完成! 炎上体験ゲーム「大炎笑」。

ネット社会では、炎上はだれにでも起こる可能性がある。
炎上を疑似体験できるゲーム『大炎笑β版』を開発して、矢口真里さん、いけだてつやさんと遊んでみた。

みんなで決めたテーマに沿って、自分の意見を紙に書きます。炎上しそうな発言を全員で同時に指差して、多い人の発言を炎上レベル3、そこから時計回りに2・2・1と数字をつけていきます。

他のプレイヤーの意見を炎上させる「クソコメカード」(※クソコメ=クソコメント。ネット用語)を1人に2枚ずつ配ります。自分の番がまわってきたら、まず山札から1枚「クソコメカード」を引き、気に入らない意見を書いたプレイヤーの紙に出していきます。「クソコメカード」には炎上レベルが記されており、同じ数字か1つ上の数字の「クソコメカード」だけ出せます。
他人を正面切って責め立てる、というなかなかスリリングなコミュニケーションが体験できます。

炎上度が大きくなるほど出せるカードの枚数は増えていきます。
炎上しやすい設計を心がけました。

「クソコメカード」が出せなければ、山札からイベントカードを引きます。
新事実が発覚したり、記者会見で号泣したり、家バレしたり。果たして炎上から逃げ切り、ライバルを大炎上させられるのか?

カードの枚数が一番多かった人の負け、大炎上です。
みんなに謝罪すると盛り上がります。

6月のある日、都内のプロレスリングで炎上体験ゲーム「大炎笑」試遊会を開催した。
メンバーは「炎上」か「ゲーム」にゆかりのある人々。
果たして誰が大炎上するのか。
そして、お互いに炎上させ合っても、現場はもめないのか?

矢口真里

モーニング娘。OG。2013年10月以降、離婚騒動の影響で活動を休止したが、2014年10月に再開。仕事の幅を広げ、タレントとして積極的に活動している。

いけだてつや

お笑い芸人。「超」高校野球観戦フリークであると同時に、ボードゲーム大好き芸人として「アメトーーク!」でも話題に。

米光一成

ゲームクリエイター、ライター。元立命館大学映像学部教授、デジタルハリウッド大学客員教授。「ぷよぷよ」を生み出したことで有名。

滝口勇也

クリエイティブファシリテーター。博報堂で事業戦略や商品企画のお手伝いと広告制作を担当。米光氏の著書が好きだったため、今回の企画を無理くり米光氏にお願いした。

決められたテーマについて、各々の意見を紙に記す。
最初のテーマは、ずばり「炎上とは何か?」。

滝口集まっていただいてありがとうございます。今日は炎上を体験できるゲーム「大炎笑」の試遊会をやります。

矢口このゲーム、滝口さんが作ったんですか?

滝口そうです、僕が企画で米光さんがゲームデザインで。前々号での矢口さんのインタビューがきっかけで、炎上を少しでも自分ごとに感じられるものがあった方がいいな、って思って。

矢口え、あのインタビューがきっかけで作ったんですか? すごい!

いけだなんだか狂気を感じるゲームですね。

滝口お互いに炎上させ合って戦うゲーム、ということで闘いの象徴であるプロレスリングを舞台に設定しました。せっかくなのでまずは「炎上」をテーマにしましょうか。

矢口炎上について思っていることを書くんですね? …これ、考えるの意外にむずかしいですね。

米光大喜利ですからね、ある種の。

滝口書けたら、さっそく発表しましょう。では矢口さんから。

矢口私は「正直、相手にしていません」です。もう私の中で炎上は存在しないものになってます。…って、逆にちょっと炎上しそうですかね(笑)。あえて書いてみました。

いけだご自身のことをよくわかってらっしゃいますね(笑)。私はこれです。「炎上とはチキンラン」。要は、みんなで駆け引きをし合ってギリギリを狙い合ってるんじゃないかな、って。

米光僕は「炎上させてるヤツはクズなんでどうでもいいや」。

矢口スゴいこと書きますね!

滝口僕は炎上させる側の気持ちで書いてみました。「悪口ひとつで他人の人生カンタンにコントロールできちゃうよ」。

矢口あー、たしかに。

米光意地悪そうですね。

意見=発言が出揃ったところでゲームスタート。
手札の「クソコメカード」を他の人の「発言」にぶつけ、いかに炎上させられるか。

滝口手札を出すときは相手の名前を言いながら、コメントを読み上げてください。ちょっと言葉をアレンジするのもOKです。

いけだ面と向かって直接悪口を言われるんですか。リアルなTwitterみたいですね。

滝口そうなんです、じゃあさっそく僕からいきますね。いけださん、「それステマじゃないですか?」

いけだうわぁ…。なるほど、これ、ちょっと傷ついちゃいそうですね。じゃぁ、僕も。矢口さん、「ありえないですよ、ネタ乙」

米光出せるカードがないので「イベントカード」を引きますね。え〜と、「まとめページができる」。「クソコメ5」のカードとして誰かにつけられる。これは矢口さんにつけよう。

矢口え、もう私の発言のまとめページができたってことですか。やばい。

いけだあ、これ、どんどん伸びていくんですね。

米光そうなんです、スレッドが伸びるように「クソコメカード」がどんどんついていくんです。

矢口私、いきますよ。出せるときは一気に出しちゃっていいんですよね? 米光さんは「ふつうの暮らしをバカにしたんですよ」。もう1枚「へー、頭いいんですねー」

いけだいいコンボ! クソコメっぽい流れですね。じゃぁ次、僕は…、矢口さん、「それ、小学生でも知ってるし」。言葉がハマるとおもしろいですね。

米光滝口さんは「完全なポジショントークですね」

いけだけっこう芯食ってるんじゃないですか。役割ばっかり気にしてるし。

滝口ホントですか(笑)。僕は米光さんに、「その発言誰が得するんですか?」「まだそんなこと言ってる人がいるんですか?」

いけだ1回火がつくとどんどんきますねー。

炎上し始めるとどんどん燃え広がる。
一度、火がつくと止められない。

矢口米光さん、「以前の発言と矛盾してます」「またお前か!」「ファンに謝れ!」。これで全部カード出し切りました!

いけだ僕は矢口さんに。「何にでも乗っかんなくていいのに」。便乗商法ですか?

矢口なるほど! よく言われます。すぐ乗っかるから(笑)。

滝口矢口さん、「それはないでしょう」

矢口ヤバいな、これ。危ない。よし、攻撃しよう。米光さんが「バカだってのハッキリした」。ははは、米光さん、天才なのに。

いけだ米光さん、「無能!」

矢口このゲーム、上司とやったらすごいことになりそう。

米光僕だって負けませんよ! 矢口さん、「調子に乗るな」「言っていいことと悪いことあるよね」「超むかつく」「ウザい」

矢口ぎゃー、米光さんが貯めてたカードが一気に…。ヤバい、いい勝負になってきた。

いけだ…なんか、僕だけ炎上してないですね。フォロワー10人しかいない芸人みたいになってるじゃないですか…。

矢口そっか。炎上って注目される、ってことでもあるんですよね。

滝口じゃぁ、僕は「イベントカード」を引きます、えっと、「家バレしてしまう」。じゃぁ、これは矢口さんに。

いけだ矢口さん、今、家バレしたんですね。

矢口私、ホントに家バレしてますから。だって、週刊誌の記者の方、全員知ってますよ、うちのこと。なんかあったら来ます。

米光嫌ですねぇ、それねぇ。

滝口記者さんはコメント求めに来るんですよね? じゃぁ、最後、矢口さん、「それ覚悟しての発言ですか?」

ここでゲーム終了。
「カード」を一番多く集めてしまった人が「大炎上」で負けとなる。

滝口僕が6枚でいけださんが2枚。米光さんが11枚で矢口さんが12枚ですね。矢口さんの負けです!

矢口あー、大炎上だー。ネット民に叩かれたー。

滝口さすが、炎上の才能ありますね。

矢口私、また炎上するの!? 嫌だぁ…。

「大炎上」を疑似体験したみなさんに、プレイしてみた感想を聞いた。

矢口痛烈なこと言われるんですけど、ゲームなんで受け入れられますね。

いけだゲーム性がしっかりしてますね。カードの数字と枚数のバランスが炎上しやすいように設計されているし。

滝口〝炎上する側〟だけでなく、〝炎上させる側〟も体験してみて、どうでした?

矢口他の人を炎上させるのが少しずつ楽しくなってきちゃいました。ただ、このゲームのいいところは相手の顔が見えることですね。顔を見つつ、「すみません」って言いながらも、普段言えないことを正面切って言える。「ゲームだから」ってことで。ネットは面と向かって言われるわけじゃないんですよね。

滝口せっかくだから、これまで矢口さんが言われて辛かった言葉も「クソコメ」に加えたいな、と。何かあります?

矢口短い言葉ってイヤですね。長い言葉って、ある程度自分の意見があるじゃないですか。でも、「はぁ?」「ウザい」「きもい」とか。何にも考えてないなって思っちゃうんですよね。

滝口何にも考えてないな、って思うんだったら、言われても辛くないんじゃないですか?

矢口うーん、でもやっぱり、短い言葉は辛いですよ。言葉自体が凶器に感じます。「死ね」とか。なんで知らない人にそんなこと言われなくちゃいけないんだろう? って。それはもういじめになっていきますよね。私をちゃんと批判してる文章だったら、わりと受け入れられるんですけど。

米光経験者の言葉は重いですねぇ。

矢口あと、私が言われていつもイヤなのが「開き直ってんじゃねーよ」って言葉です。自分の特定の発言に対してならわかるんですけれど、そうじゃなくて、明るく元気にテレビに出てることそれ自体に、「開き直ってんじゃねーよ」って言われるんです。

米光勝手に解釈して押しつけられるとイヤですよねぇ。

いけだ謝罪して反省して、その上で明るくふるまっても怒られるってどうしていいかわかんないですね。

矢口そういうのがイヤだな、って思います。あ、だから「もっと反省してください」ってカードがあるといいかもしれない。言われたら困るしすごくイヤですもん。すごく反省したのに、1年半以上反省してるのに。いまだに反省し続けてるのに、って(笑)。

いけだすごい話だなぁ。僕、何かを1年半も反省したことないですよ。

滝口今の時代、タレントさんだけじゃなく一般の人にも凶器の言葉が向けられますよね。

いけだ「スーパーに行ってきました」って写真をアップしただけで、「ずいぶん高級なスーパーに行ってるのね」なんて言われちゃったりね。

米光誰かの気にさわる可能性が少しでもあると全部ダメ、っていう時代になってきてますよね。

矢口自分の意見といじめの言葉をちゃんとわけて考えなくちゃダメですよね。とくに一般の人をみんなで攻撃するのはとっても怖いですし。

米光数の暴力って怖いですよね。

矢口そういう意味でも、いろんな人にやってもらったらいいかもしれない。炎上する側もさせる側も経験できて、いろんなこと考えさせられるし。それでいて、ちゃんとゲームとしてみんなで盛り上がれるし。

いけだ発言を工夫しながら遊べるのもいいですよね。

滝口誰とやったらおもしろいですかね?

矢口気のおけない友だちとか、上司と部下でやるのもいいかも。ふだん言えないようなことが言い合えて。

滝口ママ友はどうですかね。

矢口それは危ない気がする(笑)。

いけだ「昨日は『調子に乗るな』って言ってくださってありがとうございました」。なんて言われたり。

一同それは怖い(笑)。

「大炎笑」に推薦コメントをいただきました。

文:滝口勇也
写真:高橋宗正
取材協力:西新井大師西スタジオ

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